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福祉タクシーは何処へ向かうのか

スペシャル・トランスポート・サービス(STS)としてのタクシー/福祉タクシーは何処へ向うのか/株式会社ふれ愛交通 代表取締役 道野隆

タクシー業界として、超少子高齢化社会を迎えるにあたり、個別輸送である福祉タクシーの役割、重要性を今ほど考え再確認しなければならない時はないと思う。未来の理想の福祉交通とは何か?そう考えると欧米各国で約60年の歴史を積み重ねて来た先進事例に学ぶ必要がある。これらを参考にしながら福祉個別輸送は本来どうあるべきなのか、また、日本的条件に当てはめながらあるべき姿、将来像を探って行きたい。

1.加速する少子高齢化社会の中で

厚生労働省人口問題研究所のデータによると2020年あたりから確実に人口減少期に突入し毎年70万人の人口減少が起り50年後は日本の総人口が8500万人になると言われている。人口減少が起こり高齢化率が高まるということはどういうことか。それは、街から若者が減る、勤労世代が減少するということである。ビジネスでタクシーを利用する、あるいは仕事上の接待で、また1日の疲れを癒すために繁華街に繰り出したサラリーマンがその帰路にタクシーを利用してくれる絶対数が減少していくということなのである。右肩あがりで人口増加してきた日本社会が初めて体験するこの事態にタクシーはどう対応するのかが、求められている。そして、人口減少が緩やかで経済的にも疲弊していない今から10年。人口の40%にもなる高齢者に適合した社会資本整備ができるかどうかに繋っている。タクシー事業者に置き換えれば、タクシーそのものが福祉仕様に変身を遂げるのかどうか、差し迫った10年間であると考えてよい。私たち事業者もどこにどう向って進むのか、行政とも一体となって未曾有の超高齢化社会における福祉交通のあり方、とりわけ福祉タクシーの役割を考える時に来ている。

2.STSとは何か

今から60年以上も前から欧米で開始され今日では福祉交通システムとも言われているスペシャル・トランスポート・サービスに学ぶべきところが多いと考えている。これは、タクシー事業者がどう変化するかということだけではなく、行政の支援関係、まちづくりのあり方も内包していると思うのである。今回改めて紹介していきたい。STS直訳すると「特別な交通サービス」ということになる。1960年代のスウエーデン、イギリスでは70年代から通常のタクシーやバスとは違うリフトやスロープ付きの車両や運行方法を用いて、高齢者、障害者の輸送を行い始めた。その後アメリカでは「パラトランジット・サービス」として全米で普及し、今日のSTSになった。誕生はまさに自然発生の相互扶助で障害者の通院が通常のタクシーでは不便なため近隣の善意で行われていたものだが、利用者の増大で発展的に組織化され制度化され、特に高齢者や障害者が車椅子のまま利用できるリフトやスロープ付車両は福祉交通のモデルとして世界で採用された。今日では行政が関与し公共交通ネットワークの一部として活躍するようになっている。STSは、福祉交通サービスの一般名称であり、システム、概念にもなっている。

日本では、ボランティア団体が名称に使用していることもあり、ボランティア団体がおこなう「移送サービス」や福祉有償運送と同義で捉えている人も多いが、本来はもっと奥の深い福祉交通システムなのである。私達は、このSTSの内容、歴史的な経過や理想から学ぶことは多い。まずは、どこの先進例を見てもこれまで公共交通機関は自分で乗り自分で降りるということを基本に考えられていたのが、「ドア・ツー・ドア」「ベット・ツー・ベット」高齢者や障害者がありのままの生活から外出を可能にさせることを基本に考えられている。今では当たり前のようだが当時では画期的なことであったと思う。そのために車椅子やストレッチャーが搭載できる車両の開発。これは今日本でもイメージできる、コミバスや福祉タクシーの原型モデルとなった。さらに、乗務員による介助。おおよそこう言った共通点を持ちながら世界的に自然発生的に広がった背景には、日本が今日抱える少子高齢化の洗礼を50年以上前から受けた欧米の社会構成の変化があっと思われる。これらの国は直面する少子高齢化社会にアジャスタブルに交通機関を対応させていくことで乗り切ってきた先陣なのである。

多くなって来るSTSに対し、当初は公共交通機関ではないSTSとバスやタクシーとの棲み分けをどうするか?ということが議論されていたようだ。これはSTSが旧来のタクシーや公共交通機関として生まれてきたのではなく、地域の人々の善意やボランティアによって生まれ支えられてきたことにより、当初は対立軸に、特に個別輸送の先輩であるタクシーの存在が脅かされるのではないか、という危惧を与えたものであると考えられる。しかし、当初の切磋琢磨を乗り越えてタクシー業界がこの理念を理解し、徐々にタクシーがSTSを取り込み、浸透し実際の運営委託をタクシー会社が受け、タクシーをSTSとして走らせている。実際のところ運転技術や配車の専門性、継続性を見たときタクシーに勝る者はなかったと思える。もちろんタクシー会社は通常の一般タクシー業務もおこなっているのだが、STSの配車センターからの依頼時にはSTSとして活躍できる、そのための研鑚も充分積んだとも言える。タクシー会社が取り組む諸外国の特徴的な例を紹介したい。

1.ストックホルムのSTS

1980年「社会サービス法」の制定で全国自治体でSTSの提供義務が出る。運営はストックホルム県の福祉交通部、運行は22社のタクシー会社である。リフト付き車両を有している社は14社で8社は一般タクシーを利用しての運行。STSは20分配車を公約していて、実際に各タクシーには予約配車指示を確認してから5分以内に指定場所に到着しなければならない厳しい指示が出されている。

運行経費は国が3分の1、残りの3分の2を県、市、そして利用者からの運賃で賄い、利用者からは、STS利用時には概ね通常のタクシー料金の2分の1以下になるようされている。年間利用者は410万人、県福祉部がタクシー会社へ支払う委託料は年額7000万円程。もちろん、タクシーに委託している以外でも、リフト付きバスを持っているバス会社やボランティア団体とも委託契約を交わしており補完的な役割を果たしている。

2.ロンドンのSTS「ダイアル・ア・ライド」

ロンドンでは5つの地域に分割にそれぞれに市やバス会社、タクシー会社、ボランティア団体が出資した第3セクターが運営している。「電話(ダイアル)で予約して乗る(ライド)」という訳。ロンドン市交通局から補助金を受けて運営されている。ロンドンは有名なロンドンタクシーでスロープが着いていてユニバーサルなので、一般タクシーの福祉レベルが高く、STSはより重度な障害者の利用に特化される。かなりの介助技術を身に付けた乗務員が担当している。ボランティア職員は皆無だということ。利用料金の平均支払額は1回に120円程度、当然不足は全額ロンドン交通局が補助している。

3.ベルリンの「テレバス」

ベルリンのSTSは「電話(テレフォン)予約して来る(バス)」から来ている。

1979年に当時の西ドイツ時代から始められたもので、運営主体は赤十字や教会のすべてが参加している「社会的課題のためのベルリン中央委員会」で運営費は州から82%18%が国の社会保険から補助。スタッフは登録制だが、運転手はタクシー会社との契約で成り立っているという特徴がある。

4.ワシントンDCの「メトロアクセス」

もともと地下鉄を含めた公共交通サービスを一元的に運営しているワシントン首都交通公団が運営するSTSが「メトロアクセス」。ワシントンDCその郊外8の自治体で運行されている。ここも、実際の運行は契約に基づいて請け負った地元のバス会社、タクシー会社がプロバイダーとなり行っている。「メトロアクセス」の他のSTSと違う点は、一般セダンのタクシー車両を多く採用しており、視覚障害や内部障害者へ対応するためとされている。

概ね諸外国先進例を見ると、運営主体は、行政、あるいは行政が関与する団体であること。これらは他の交通機関を一元管理あるいは調整する部局である。そして、実際の運行が現在ではタクシー会社に委託されている。ボランティア団体や個人はその補完的な役割りを担っているということである。

2.STSの運営主体と財源

欧米のSTSの運営主体を見てみると、概ね自治体、あるいは自治体が関わった第3セクターが担っている。紹介できなかった各国例でもカナダ・トロントの「トランスホイール」も州政府が作る運輸委員会、経費も州政府50%、残り40%が市、10%が運賃。また、フランス・リヨンの「オプティバス」カナダ・バンクーバーの「ハンディダート」、アメリカ・ニューヨークの「アクセス・ア・ライド」でも同様のことであった。

こうして見ると、概ねSTSというものは、国および自治体が運営主体となり、実際の運行は地元のタクシー会社、運賃補助も行政が行っている実態がわかる。地域のボランティア団体や社会福祉団体が運営主体となっている日本の福祉有償運送やタクシー事業者の経営努力の賜物と言える福祉タクシーの実態とはかなり大きな差がある。

こうした背景には、日本にはない法令根拠が諸外国には存在している。1970年にドイツでは「リハビリテーション法」が制定され「すべての交通は障害者にアクセス可能にすること」が明記された。また、75年のフランスでも「障害者基本法」79年のスウエーデンの「公共交通機関の障害者用施設に関する法」80年の「社会サービス法」85年イギリスで「運輸法」90年アメリカの「ADA(障害をもつアメリカ人法)」95年イギリスの「DDA(障害者差別禁止)法」が制定されている。特にアメリカ、イギリスのこれらの法律は、障害者が交通機関を利用できないことが差別とされ、差別解消に国(行政)が積極的に関与し、具体策としてSTSの提供を義務化している。

こう行った法的な根拠に裏付けられて必要な予算措置がありSTSが発展してきたと考えられる。また、利用者の料金はどうなのか?これは障害者や高齢者の通院、通所の頻度が高いということで利用者軽減の考えから、およそタクシー料金の2分の1を越えない範囲ということになっている。あとの負担は公的補助なのである。現在、日本で行われている「福祉有償運送」運行にあたり、都道府県ごとに作られている運営協議会のガイドラインでもこの対価については、タクシー料金の2分の1とされているが、これは、これらを参考にして作成されたものとは思われるが、公的補助がある諸外国と比べればあまりにもお粗末。また、有償運送の運営主体からすれば財政問題のネックにもなっている。この問題点は改めて後述する。すなわちタクシーとすれば、一般利用であれ、STSからの依頼であれ、お客さまから受け取る運賃は違うものの、収入は同一ということ。

さて、公的補助の中味についても検討したい。これは、圧倒的に税金が投入されている。どこも、バリアフリー化施設整備、車両整備と同様STS運営の予算措置が組まれている。また、一般財源であっても、道路財源であったり社会保険、医療保険、厚生年金等の財源からも導入されている。

4.福祉交通システムの構築を

STSというのは、福祉交通の理念やシステムであり、行政と事業者が一体として取り組む問題である。私たちが将来めざす将来像はうすうす見えてくる気がする。これは、業界だけで語りきれる問題ではなくて、「国のかたち」、政治や行政に直結する話でもある。国からはそんな欧米のような財源はどこにあるのか?と声が聞こえてきそうではあるが、福祉交通の仕組みや税金の使い道として私たちが案を持つ場合は、当然、福祉タクシーのSTS化を求めていくべきである。当面実現できるかどうかは別にして、目指すべき理想を明確にしておく必要はある。

1.国の責任の明確化

2000年に「交通バリアフリー法」が制定され、初めて日本で、交通機関、旅客施設のバリアフリー化が義務付けられた。しかしながら、アメリカのADA法のように障害者が普通に交通機関を利用できないことを差別とし、その解消を国の責務としてSTSを位置付けるということまでは規定していない。2007年「ハートビル法」と統合された「新交通バリアフリー法」でSTSの提供を促進することが盛り込まれた。また何度も廃案の憂き目に遭いながらも素案が練り上げられている「交通基本法」に期待するところが大きい。事業者への義務だけではなく、行政の支援策を盛り込んだ法律の制定が必要である。

欧米のSTSでは、運送の対価を「概ねタクシー料金の2分の1」とされているが、欧米STSは後の2分の1は行政からの補助で賄われているからである、ことは前述した。こうした行政が積極的な支援ができるのは、まさに法的裏付け、根拠を持っているからで、このことは大きい。

日本の福祉有償運送と比較できないが、都道府県が作成した「輸送マニュアル」でも、これらの運送の対価を「概ねタクシー料金の2分の1」とし、実際に彼らはその対価で運行せざるをえないのであるが、財政補助ありの欧米のSTSを、かたちだけ真似した不幸なマニュアルの「言葉の独り歩き」。実際に継続的に運行できるはずはない。しかもその理由に「タクシー類似行為で、事業者への圧迫にならないため」とされている。STSがタクシー料金の半額としたのは、障害者等の利用頻度の高さを考慮した、まさに交通弱者保護の理念からなのである。タクシー事業者保護と言ってしまえばいらぬ対立を産みかねない。完全にお門違いである。

今後、一層国の責任を明確にした法整備が必要である。

2.整備のグランドデザインは地方自治体

しかしながら、新たな立法や、財政裏打ちがなければ何もできないか、と言うとそんなことはない。2006年には「利用者の様々なニーズへの最適化を図る、ため乗合輸送に関わる規制の適正化」を盛り込んだ「改正道路運送法」。また2007年には「地域公共交通の活性化および再生に関する法律」が成立し、「地域において地方公共団体自らが主体的な取り組みを行い、住民と協働した創意工夫を行っていく」ための関係法令の整理がすでに行われているのだ。これは、①バス、タクシーにおける高齢者、障害者等の交通弱者の外出支援は、地域生活の確保を図るうえにおいて重要な移動手段と位置付けていること②またそれは、人的交流の活性化、による都市あるいは地域の活性化を図る「まちづくり」のために有効な手段であること③これら多様化高度化した地域の公共サービスに対するニーズにいかに答えるか市町村のモビリティマネジメント、地域活性化の方針化が求められている。近畿運輸局でも、2008年に、こうした取り組みを推進するため「よりよい地域公共交通を実現させるためのマニュアル」~地域にふさわしい旅客輸送サービスの導入・改善に向けて~を発表し、特に地方自治体に総合計画の策定を求めている。財政問題は別としても、これを見る限りボールは今地方自治体にあると思われる。各自治体はこれらの法律の趣旨に基づき、地方公共団体自らが主体的な取り組みを行い住民と協働した創意工夫を行っていくべき時だと言える。

それは、少なくとも高齢者や障害者の移動はもはや事業者やボランティア任せではなく、まちづくりの一貫としてグランドデザインを描けということが法の趣旨。生かすも殺すも大事な役割なのだ。たとえば、ニーズについて一番情報があるのは自治体なのである。具体的に市町村で高齢者の多い地域、障害者の分布、これを地図に落とすことが可能なのは自治体である。これに、バス路線等や鉄道駅の網を掛け精査するとSTSが必要な地域、個人が浮かび上がってくるはず。運行方法もドア・ツー・ドア型なのか、定時路線型なのか、ミックス型なのか、使用車両も地域の実情に応じて変わってくる。運行委託もタクシー会社で100%賄えるのか、そうでないのか。具体的に描いていかなければならない。今まではこう言ったニーズ調査は事業者まかせであったが、福祉交通の整備に関するグランドデザインは地方自治体が腹を括って描かなければならない。

3年前より実施されている地域公共交通確保維持改善事業は、福祉タクシー車両購入費用の3分の1を補助するという画期的な内容が含まれている。しかしそれは「地域協議会」の開催とそこでの必要性の認知が必須で、実際にはなかなか適応例が少ない。これはニーズを含めて地域、自治体が責任を負い、適正に福祉車両配置の必要性を把握することがこの事業の趣旨なのである。少し高いハードルになっていてその部分は国に具体的に運用の柔軟性は求める必要はあるのだが、この事業を絵に描いた餅にしているのは自治体の責任でもあると言える。

このようにこれから日本における福祉交通は、まず地方自治体がグランドデザインを描き、その地域ならではの具体的な計画に基づいて国が必要な財政的な問題を含めた支援をする、という方向性が現実的であると思える。

3.STSコストの社会的負担を

さて、一貫して議論が積み残されているのがSTS運行の財源問題である。欧米のような税金投入があれば話は早いのではあるが、しかしこれとて不可能ではない。消費税率が上昇するとすれば、納税者が税金の使い道の問題として、政治の問題としてこれを取り上げていかなければならないのは確かである。どこの政党も社会保障費に充てるという消費税率上昇分の13兆円のほんの一部をSTS運行の財源としてプールさせていくことは可能である。私達はこの要求は当然していかなければならない。

また欧米では社会保険、医療保険、厚生年金等かの財源からSTSの運営費を捻出している。

間接税の目的税化の他、アメリカのメディケイト(低所得者保険)では、医療費の1%(年間1000~1500億円)を用いて340万人(人口の1、7%)の送迎サービスをおこなっている。日本でも、介護保険が導入された当初、移動に関わる費用は身体介護というメニューの中で、30分に約2,300円の料金が支払われた、そのうち利用者本人が支払ったのは1割230円であった。この時点で福祉タクシー(介護タクシー)は広がりを見せたが、その後介護保険支給見直しの中で、移動に関わる部分は身体介護と認められなくなり「乗降介助」に関わる1,000円ということになってしまった。他制度が充実していない中で「何でもかんでも介護保険に入れないで」という厚生労働省の悲鳴に近いものだったと思うが、移動に関わる費用を社会的に負担しようとした第一歩であったと思う。私達は、厚生労働省には移動に関わる介護保険支給の充実を要求し続けているが、同じように社会的負担をする必要がある医療機関、施設等についても検討されることを望む。同時に従来の発想と違い、新しい財源確保の枠組みが必要であることを今一度認識しなければならない。

4.日本型STSの創出を

長きにわたりこの紙面を利用して欧米のSTSに学びながら、私たちの目指す方向性は見えて来た。それは①STSの活用を念頭に入れた福祉交通システムの構築を(グランドデザイン作成)地方自治体に迫る。②そのグランドデザインに基づいた計画を国も財政支援する。(法的整備を行う)③その中でSTSの実際の運行はタクシーが担う。行政と一体となって近未来の高齢化社会に対応する公共交通機関=STSを今こそスタートさせなければならない。 福祉タクシーの運営に今の料金体系は最低限必要である。利用頻度が高い障害者、高齢者の本人負担をいくらにするか?ということでも行政からの補助額に大きな差が出てくる。STS利用者の応分負担についての議論も充分深める必要がある。

しかしながら、財政問題を含めて多くの課題はある。税金補助以外にも全国でのコミニティバスの経験の中から、広告、寄付による経費の捻出等、日本的なSTSのあり方はこれから模索すべきであるが、運輸局、市町村、事業者が今こそテーブルに着き議論を開始する時ではないだろうか。

5.結びにかえて

誤解を与えてはいけないが、行政的支援がなければ今後福祉タクシーが成り立たないということではない。私たちの先人はむしろ時には行政と闘いながら今日の福祉タクシーの地位を築いてきた。50年前、ワゴン車にリフトを着けた改造車を陸運局に持ち込み営業車両としての認可を迫った。当然当時の陸運当局はそんな車見たこともない、障害者や高齢者輸送の最前線にいたタクシー事業者だからこそ、その思い情熱はシャープだったのである。車両開発も現場発だったのである。ただ今後の超少子高齢化社会の中で「最後の切り札」はタクシーであると国交省の中でも覚悟されはじめている。その覚悟の中味とは、バスや鉄道のような財政補助ということである。このSTSというタクシーを中心とした新福祉交通システムの創出を私たち事業者としても、しっかり射程に入れ計画を練り、いつでも登板できるように、準備しておかなければならない。STSはタクシー会社が担うと本編で簡単に書いたが、実はこれこそ事業者として大変な作業が待ち構えているのだ。欧米のようにSTSを担うためにどんな努力が必要なのか、真摯に取り組むところに来ている。そのためにも福祉タクシーの更なる増車を努力しなければならない。当然その絶対数は不足している中で一般タクシーの福祉化、UDタクシーの増車を業界あげて取り組むべきところに来ていると考える。

いずれにしても、本寄稿が福祉交通の今後のあり方や福祉タクシーの将来像についての議論の一助になれば幸いである。

(了)

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