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ひとに優しい交渉をめざして

平成25年2月18日、中央電気倶楽部において「公益財団法人 関西交通経済研究センター・運輸安全マネジメント支援センター」主催、国土交通省近畿運輸局後援による「シンポジュウム2013 安マネ制度導入から6年が経過 いまどう動くか?」が開かれました。道野社長がパネリストで参加しました。

(以下、道野社長講演とディスカッションの抜粋)

『運輸安全マネジメントへの取り組みと課題』

パネリスト

国土交通省 近畿運輸局/自動車監査指導部 首席自動車監査官 小林 久詩

株式会社 ふれ愛交通/代表取締役社長 道野 隆

大淀交通 株式会社/代表取締役杉山 和義

京都相互タクシー 株式会社/運輸部 係長 近藤 正和

 

コーディネーター

甲南女子大学 人間科学部/講師 藤島 寛

藤島講師

それではただ今から、第Ⅱ部のパネルディスカッション「運輸安全マネジメントへの取り組みと課題」と題しまして、最初に道野様、パワーポイントの資料を前方に映しながらお話しをして頂きます。お一人、大体30分を予定しています。その後、小林様の方からコメントを頂きたいと思っています。そして、残りました時間、会場の方からご発表に対するご質問、感想、疑問、何でも結構ですので、お持ちでしたら遠慮なく仰って頂きたいと思います。その様な形で十分なディスカッションが出来ることを願って、始めさせて頂きたいと思います。

それでは最初に、株式会社 ふれ愛交通の道野様からご発表を頂きます。

道野代表取締役社長

株式会社 ふれ愛交通の道野と申します。どうぞ宜しくお願いします。ひとに優しい交通をめざしてということでございまして、これは私たちの会社の社是と言いますか、半分スローガンに近いものですので、大体どこの場所でプレゼンをさせて頂く時にも、まず、ひとに優しい交通をめざしてふれ愛交通と、こういうキャッチフレーズでやらせて頂いています。

そもそも、ふれ愛交通の成り立ちということになるのですが、福祉限定事業者から限定解除を致しまして、現在の一般タクシー事業も含めた形になっています。会社概要についてはこのような形です。一般と同時に福祉・介護保険の事業所、派遣も含めてやっています。現在の所116両ということですが、これも実は最近の話しですので、今日は私の報告を一言で言えば安マネは怖くないと、何か安マネをやること自体は、やはり大手の会社だからこそ出来るのではないかというふうに考えられているのですが、私も正直な所そう思っていた所もあるのですが、ただ中小、取り分け私共のように零細に近い形から出発しているとこにおいても、やはり一つは経営者、トップの一つの意思、それから様々なそういった経験、それを与して、安マネについては出来るということが分かって頂けたら、有り難いかなと。本当に実証的で経験も積み重ねられている取り組みは、後、大淀交通さんとか、京都相互さんのご報告にお任せをしたいと思っていますので、私については、あそこでも出来るんやと、ちょっと安心を持って頂いたら嬉しいかなというふうに思っています。

安全マネジメントの基本方針と目標ということで、これは既にホームページでも明らかにされています。そんなに目新しいことも何もないと思うのです。公共交通機関としての使命と自覚を持つ、「安全・安心・快適」な輸送意識を全従業員へ周知・徹底をするということと、絶えず関係法令を遵守して、安全性の向上に努めていこうということです。それから、PDCA、これを実施して安全対策について、見直しを適時図っていきたいということを思っています。目標も色々考えたのですが、これも他社さん、色々参考にさせて頂いて、一番シンプルな形でとにかく事故を減少しようということで、前年度の事故比の10%を削減、これを毎年目標にしています。ただ、これも年数を重ねていきますと、どんどん分母が減っていきますので、いずれごめんなさいと言う時が来るとは思うのですが、それも含めて、また見直すことが可能になってくるのではないかというふうに思っています。

勿論、私共、安マネの義務の事業所ではありませんが、やはりやれること、やれないこと、これを見極めながらやっていこうと。今日のこのパワーポイントの資料にはないのですが、一つ安マネをやる時の動機になったのですが、当初10台から走り出したふれ愛交通なのですが、30台まで車が増えた段階で、これは平成19年の資料ですが、年間で事故が121件ありました。これは30台ほどの車両ですから、ちょっと多い数だと思います。人身が20件、物損が79件、その他22件。こういう事故がありました。これは何とか減らしたい。草創期の会社でありましたから、非常に走れ走れ、一生懸命仕事しようということで、乗務員も頑張ってくれたのですが、それに応じて事故も増えていった。こういうことがあったと思います。それではいけないということで、このシンポジウムへ過去、私も何回か参加させて頂いて、勉強しながらこういう形を採ってきました。これについても恐らく他社さんとも変わりありませんし、国土交通省の推奨するマニュアルに従って、大体変えたということではないかと思います。機器面でいいますとデジタルタコメーター、これを活用したスピード管理をしたいということと、丁度健康診断が年2回実施という形になりましたので、それもきっちりしたい。アルコールチェッカーを入れることと致しました。他にドライブレコーダー、車内の搭載カメラも含めて事故防止の教育ツールとして活用しようと。以下、こういう諸々のことを致しました。無事故無違反の表彰を行いましたし、車内の中に安全推進委員会と職場会議を設置して日々見直しを図っています。年2回、全体の安全大会を開催して、安全意識の向上を図っていこうというふうに致しました。ああいうふうに文字を羅列すると、非常に素晴らしいように見えるのですが、要は日常活動としてこの2つしかやっていません。

2つしかやっていないといったらおかしいのですが、もっといえば職場会議の開催、これは毎月やっています。やらざるを得ないというのですか。これは実際の議事録なんですが、実は我が社、ISO14001、これは環境のISOなんですが、この点検会議を月に1回やらなければなりません。また、安全衛生委員会の会議も月1回開催しています。ISOをお取りの企業はよく分かっていると思うのですが、これを取ってしまうと、ちょっと後悔したぐらいなんですが、安マネどころではない2年に1回の厳しい監査あり、それで認証されればまた次の2年間保証してもらうという形で、いろんなところで点検をされる。それと考えてみれば同じかなということで、これは実際の議事録なのですが、職場会議、殆どコピペを変えてこういうことをしましたとか、事故あった月は何をしましたか。例えば事故が1件ありました。惹起者に対する指導をしました。要はきっちりと文章で残しておく。文章を書く為の会議といったら言い過ぎなんですが、やはり月1回とにかく経営者或いは管理者の責任者が集まって事故の件数を確認する。無かったら良しとするし、あった場合については何でかということを深めていこうと。これは実際の模様なのですが、こういうふうにしています。

それと同時に安全推進委員会。これも当社は一般タクシー部門と福祉タクシーの2つの部門、それぞれ最初は別々にやっていたのですが、それもちょっと中小企業的にしんどいなということで、一緒にやろうということに致しました。これも写っていますが、私共の安全推進委員会の委員長、ホームページ上でも公表していますが、女性が委員長になっています。勿論、全体の責任者は私なのですが、具体的な委員会の取りまとめ、ここの点検。これは私以外に役員は何人かいるのですが、役員が安全委員会の委員長をやってしまいますと、ちょっとまた別のことを考えたり、色んな経営的なことを考えたり、これ言わない方が良いんじゃないかな、こういう見直しを会社に提言しない方が良いんじゃないかなということにもなりかねないということで、女性にしました。これは狙い通りで、非常に冷徹にといいますか、書類管理も含めてどんどん行って頂いています。安全推進委員会の実際の見直した時の議事なのですが、こういう見直しが必要ではないか、いろいろ宣言をしてやったのですが、ドラレコを、立派な機械を買って入れているけれども、あんまりそれを教材として使っていないのではないか。こういう提言があったり、後にまた出てくるのですが、構内に週間スローガンを掲示しようではないかと。事故を起こさないドライバーの話を聞いてみますとよく分かるのですが、幾つものチェックポイントは自分で持っている。例えば今週は交差点を気をつけよう。今週は横断歩道を気をつけよう。最近夏休みだから子供が多い、春休みだから子供が多い、或いは年末、暮れでは車両が多い、二輪車が多い。こういうことを常に考えているということですので、これはやはり、本来管理者がすべきだということで、週間スローガンが構内に貼ってあります。こういうことも安全推進委員会の中で見直しました。あまり大したことじゃないのですが、そういうことも重要で、今週はこの横断歩道を気をつけよう、今週はこういうことに気をつけようということを乗務員に分かってもらう。そこから出発するということです。

後、諸活動については年2回の安全大会、年1回全員面談を私が実施しており、これは特に年末の繁忙期を迎えるにあたって、1人であったり、3人であったり、このように大勢であったり、車の乗り換え時間を利用してなのですが、これは私の都合ですので、1人になったり、3人になったり、10人になったりしますが他意はありません。ただ、この時、経営者・トップ・社長が直接顔を見て宜しくと、年末なので車に気をつけようと、歩行者に気をつけようということを一言声掛ける。こういうことで実施をしています。

これが週間目標で、パネルになっていまして、毎週このスローガンは変わってきます。信号は厳守しよう。何でも無い話しなのですが、何でも良いからとにかく現場の管理者が週間目標を考えて書いて、屋内へ掲示しなさいということをしています。

それから、これは無事故無違反の表彰、年1回行っています。色々そういうことをしながら安全対策を講じて、安マネを実施することが出来ました。先程の安全推進委員会の分析にもよるのですが、特に資料の中にはないのですが、交差点内の事故がやはり多かった曜日、例えば金曜日、土曜日、夜9時から12時の間に多発している。また、複数事故の発生、いわゆる1人の乗務員が何回も事故をやっている。これを防止するだけで36%事故の削減が出来る。そうなるらしいですね。1人2回の事故をその乗務員にさせないだけで、全体の36%事故が減少する。こういうことが分かりましたので、とにかく始めていこうということです。対策で色んな危険予知トレーニングですとか、特別点呼等々を含めて、結果、平成23年には計72件、あんまり減ったかどうかは分かりませんが、約41%の事故の削減に繋がった。数字上では一応そういう形になっています。

そういうことがあって平成20年度は、大阪府下でチャレンジコンテスト銀賞を頂きました。これも実は無事故無違反、完パーフェクトだったのですが、エントリー数、事業所数がどうしても少ないので、確か阪急さんだったか日本タクシーさんだったかが金賞で、私共が銀賞だったと。ただ、そういう内訳も教えてもらいながらの銀賞で非常に嬉しかったです。それから、平成22年度と24年度に近畿運輸局長から優良事業者賞を頂きました。これも、一定期間無事故、それから重大事故、行政処分がないということが前提でしたので、非常に有り難く頂戴を致しました。ただ、これには後日談が実はありまして、平成24年度の優良事業者表彰が10月末の金曜日に確か頂いたのですが、月曜日に出社しますと、「社長、近畿運輸局からお客さん来てますよ」ということで、何か副賞でも持ってきてくれたのかなということで喜んで出たら、「巡回監査です」ということで、金曜日の晩喜んでいたのに、月曜日の朝、監査に来て頂いて。ただ、言いたいのはここからで、監査を朝から晩まで1日見て頂いたのですが、とにかく帳票類はパーフェクトですね、完璧ですねということでお褒めを頂きました。監査でちょっと褒めて頂いても嬉しいような複雑な心境だったのですが、安マネは監査対策になると言ったら本末転倒な言い方になるのですが、これをきっちりすることによって、やはり帳票類の管理だとか、何気ない部分についても、非常に大事にして保管をするようになって、結果、行政監査は来られましたが、行政処分無しで、一応無事に終えることが出来たということをご報告したいと思います。

教訓と言ったら非常に大げさなのですが、私共、中小零細ですので、とにかく高すぎない目標設定、これを第一義的に考えたい。考えようと、それしかない。それは何かと言えば、私共の会社で言いますと、事故の削減。事故も半分削減と言ってしまったら翌年以降続きませんから、10%削減から始めたということです。もう一つは、日常活動をとにかくパターン化しようと。職場会議、安全推進は色んなことで見直しの会議ですが、職場会議については事故があってもなくても、何にも無くてもやろうと。それはISOの後、労働安全委員会の後、必ず顔ぶれを若干変えながら実施をしています。こういうことのパターン化が必要です。

最後にエビデンス主義。これは記帳主義というのですか、きっちり記録を残していこう。これは、我々ISOをやって学んだことです。我々中小企業、私だけではなくて色んな中小零細の皆さんもこういうふうに安マネのように組織化されなくても、色んな特別点呼として、社長・トップが乗務員に指導していくと思うのです。ただ、それは言いっ放しで記録していないから何も残っていない。ただ、ちゃんとそれを残せば、これは乗務員に対する教育訓練なんですよね。こういうことをやはり何時いつ、何時から何処でしましたということを議事録に残して置くか、置かないかだけだと思うのです。これは最初、非常に邪魔くさいですが、書式の議事録を作ってしまえばそれに書き込むだけ。パソコンで言ったら日付を変えて打ち込むだけ。ですから、そういうことを徹底的にやることを習慣付けるしかないのかなというふうに思います。

今後の課題ということなのですが、3つ挙げました。やはり事故の原因究明、事故削減というのが我が社の目的ですから、とにかくドライブレコーダーの活用をどんどん進めていこう。安全大会の中で、やはりドライブレコーダーのヒヤリ・ハット映像を映すと、もの凄く盛り上がると言ったらおかしいのですが、実際に生の映像ですから、ワアーとか、キャアーとか声が出るぐらい生々しいですね。これをやはり、もっともっと使いたい。本人は非常に悲しい顔をするのですが、やはりこれを全体に教訓化していく為には、もっともっと使いたいということが我が社の見解です。それから事故背景の掘り下げ。これは折角デジタコというものを使いながら、そこは未だ未だ使えていない側面がある。休憩時間の分析、これももっともっと進めていきたいと思います。

次に事故を起こす背景分析、一つは先程も小林様の報告にもありましたが、乗務員個人の特性であるとか、或いは考え間違いであるとか、色んな習慣上の問題で起こす問題があろうかと思いますが、同時に社内の潜在的な要因と言いますか、これは我々経営者としても中々難しい側面があるのですけども、やはり労働環境の問題をきっちりしていかなければいけないのではないか。安全と経営のさじ加減、バランスをどういうふうに図っていくのか。これは打ち合わせの時に、藤島先生から是非とも道野さん言えということでしたから言わせて頂くのですが、私共の会社は5・5割をやっていません。数少ない会社だと思っています。やはりこの12月の売上が良かった時でも、他社に比べると個々の乗務員さんの懐具合も違ったと思うのです。正に先程からPDCA出ていますが、賃率のPDCAも本当は必要なのかも知れませんし、社内の潜在的な働きやすい環境をどう作っていくかというところについては、まず貧すれは鈍するではいかんということですか。そういう環境を作っていくことが大事かなと。ただ、そうしながらも景気の動向がありますから、また会社も利益を残して色んな設備投資、それが安全に繋がっていくことも大事ですから、そこのさじ加減は非常に難しい部分があるのですが、常に乗務員個人の問題と特性の問題と同時に、会社の安全に対する保証をどうしていくのか。やはり乗務員が無茶して走る一つの側面は、走っても走っても、中々自分の懐の実入りが良くならないという悪循環があると思うのですけれど、それでまたドーンと事故をやってしまうと、本人は休まなければならない、会社はえらい損やということになりますので、そこの部分はやはりどういうふうに図っていくのか。このことが大事ではないかと思います。

そういう意味から言うと、今後の大きな課題の三つ目なんですが、事故対策から事故の予防的な観点にどういうふうに、事故を起こしそうなそういう芽を会社としてどう摘んでいくのか。こういうことに心掛けていきたいというふうに考えています。

以上、ご静聴有り難うございました。

藤島

道野様、ありがとうございました。

それでは、小林様からコメントを頂きたいと思います。

小林首席自動車監査官

説明ありがとうございました。非常に良い事例をご紹介頂きまして、ありがとうございます。

一言で申し上げますと、やはりPDCAをしっかり意識されて、しっかりCAを議論する場も確保されて、それを定期的に実施される。尚且つCで議論された内容を議事録としてきっちり残されている。この議事録を残すということは、後から振り返りが出来るのです。あの取り組みはこういうことで、こういう内容でこうだったんだなということを後から振り返って、だったらこれはどうなのか、この取り組みはどれくらい効果があったのかということを、しっかりと議論されて残されているのかなという感じが致しました。

御社の場合、ISOの14000という元々あるPDCAを回すベースがありました。やはり会社が今まで培ってきたベースというものを活かして、そして実施するとなると、これはあんまり無理のない取り組みになるのかなということで、そういう意味では非常に素晴らしい事例かなあというふうに思います。

後、CAを回して頂いた結果、御社の今の課題といいますか、そういうところも把握されていますので、それに基づいた目標なり、取り組み計画をこれからも検討して頂いたらなあというふうに思います。

私からは、以上です。

藤島

ありがとうございました。

それでは会場の方、どうでしょうか。何か感想とかご質問、疑問点とかございますか。ございましたら遠慮なく手を挙げて頂いたらマイクを持ってまいりますので、如何でしょうか。また、途中でも思いつかれたらどうぞ遠慮無く手を挙げて頂きたいと思います。

私からちょっと質問があるのですが、ずっとお話しを伺っていて、今日たまたまそうなのかも知れないのですが、事故中心、事故を減らしたいというのが目標だから会議でも事故報告が先ずあって、それで対策、無かったら終わりみたいな話しをされましたけど、その結果、今後の課題で事故だけではダメというのは、何か会議で出たのでしょうか。それでこういうようなドライブレコーダーの活用とか色々、言って頂いたということですけども、これを実際やるのに一番目ですけど、デジタコとかドライブレコーダーを活用するというのは、実は結構面倒くさいというか、難しいというか、その辺の悩みというのはどうでしょうか。

道野

実際ヒヤリ・ハットの現場というのは、本当は沢山あると思うのですが、やはり管理者がきっちりそれをヒヤリ・ハットとして捉えないといけないという部分ですし、何でもないような交差点の映像の中でも色んなことがある訳で、見る視点が無ければ中々難しいかなというふうに思うので、惹起者のドラレコ分析ツールに便利なものがあるようなので、もっともっと我々も勉強しなければダメなのかなという気がしている。はっきり事故というのであれば分かってしまうのですが、そういうことの活用方法がまだ試行錯誤というか、思いつきでやっている側面が多いと思うのです。

藤島

それともう一つ、2つ目ですけども、安全意識というものですが、私共が調査した場合3業態あって、バス、トラック、ハイ・タクですけど、結構違うのですね。安全意識まではある程度取り組みの効果はあるのですけども、安全意識が出来たら安全運転をするのかという、ここの関係が我々は当たり前だと思っているのですが、安全意識が高まれば安全運転するだろうと思っているのですけども、実はバス、トラックさんと比べ、タクシーさんは非常に違っていて、安全意識と安全運転の間の因果関係が殆ど無かったのです。関西の300名ほどのタクシー会社さんでの調査結果ですが。他の業態はある程度ある。これは結構納得される結果なのかどうか分からないのですけども、そりゃ大切やね。でもスピードを出してるかどうか分からないけれど、そういう結果でしょ。或いはコンプライアンスを相当しっかりされていて、そのコンプライアンスが効いている時は良いけれど、それが効かないような状況、例えば夜中とか、或いは空車の時とか、そういう時には結構自分流の運転をされたりするのかなと。そういうようなことが実際あるのかどうか、調査した結果そういうようなことなのだけど、安全意識を持ってもらいたいという取り組み自体が、安マネの一つの目標でもあると思うのです。自分で納得して運転してよね。という上から言われてやるのじゃなくて、コンプライアンスは法律守れとか上から目線ですよね。そうじゃなくて、そういうところがあるのですが、その辺はどうお感じになっていますか。

道野

特に安全意識の部分について言いますと、やはり経営者として2つ同時に矛盾したこと言う時あるんですよね。事故やったらあかんよ。安全がとにかく第一やと。何があっても安全やと言いながら、もっと走れ、もっと稼いでくれないと来月大変やないかと言うことを同時に言っている側面があると思うのです。乗務員にしたら、それは確かに両方受け止めて、安全を守りながら走ってくれれば一番良いのですけども、同時にこの世界独特の賃金体系もあるかと思うのですが、やっぱり頑張らないと繁栄しないという側面があるので、ついつい安全が疎かになって無理して走る、走ろうとする部分が出てくる。その時に会社としてはどう言うかですよね。それは安全を意識してやってくれというふうにきっちりトップが言わないと、私はダメじゃないのかなというふうに思います。

藤島

ありがとうございます。どうでしょう、会場の方。何か感想とかございませんか。宜しいですか。じゃあ、小林様、最後にどうですか。

小林

取り組みの中で、全員面談というのがありました。非常に良い取り組みかなというように思います。やはり運転には乗務員の個人差というのがあって、色んな取り組みをされても、中々事故の件数が減らない時期が当然出てきます。そうしますと、今までの取り組みのある程度限界なのかなということが出てくるかと思います。この個人面談を実施して、個人の色んな運転能力なり、または運転適性なり、色んな所をチェックして頂いて、それに応じた教育なりそういうものが必要です。教育を実施した後、例えばドライブレコーダーでちゃんと理解してくれているのか、実践してくれているのかをチェックするという、そういう流れ的な感じで、しっかりチェックして頂くという手法でされている事業者様もありますので、ちょっとご紹介ということでお話しさせて頂きました。

藤島

ありがとうございました。

クスモト

都島自動車のクスモトと申します。道野様、杉山様、事故惹起者なんですが、我々いつも同じ悩みだと思うのですが、事故する人間というのは大体、特定の人間に偏ってきます。その特定の人間に、偏った人間の事故を減らせば、先程も道野社長が仰ったように30何%ですか減るようなことも仰っておられました。杉山社長も、先程、やっぱり事故惹起者、点数制度のようなお話もして頂きましたけども、本当にその辺の取り組みを教えて頂きたいなと、私共、本当に事故を繰り返す人間に対し指導は繰り返ししてはいるつもりなのですが、いかんせん中々届かないのか。強いては辞めて頂くようなことに繋がってしまって、本当に事故の撲滅に繋がっていないということがありますので、できればその辺も一つ、教えて頂きたいとかように思います。

道野

本当に大変難しい問題で、杉山社長同様大変悩むのですが、まず惹起者としても特別点呼ということで、場合によったら私というか管理者、経営のトップに近い人間が直接その人間を指導する。幾分、最初は緊張感でその人も暫く事故しないという側面はそれだけでもあるのですが、ただ管理者の問題としてどう注意するのかということがあって、これは一つは特別点呼の中で、その人間がどういうタイプの人間なのか、おっちょこちょいなのか、或いは高齢なのか、どういう注意をする幾つかのポイントが私はあると思ってまして、まだちゃんと我が社では実施できていないのですが、適性診断をやはりきっちり活用して、適性診断と言いながら、あれはやはり良く出来ていて、占いではないのですが、これなんか言い当てているみたいなことがちょっともらった時は話題になるんですが、殆ど使っていないんですよね。事故した時にもう一遍引っ張り出してみて、管理者としてどう惹起者の特性というのですか、それを見抜いていくのが一つ大事かなということだと思います。もう一つはやはり先程、杉山社長も仰っていたのですが、繰り返し何か、例えば特別点呼だとか、全員面談だとか、何やかんやとその機会作って、これは猫が魚採るではありませんが、注意しても注意してもまた手が伸びてくるみたいなことにやはり成りかねないので、それはその部分でしかないのかなという気はしております。

藤島

貴重なご質問、ありがとうございました。

来年のテーマはこれで行こうかなというような感じで、研修という部分で皆さん凄く悩んでおられると思うのです。自社でやるとなると人材もいないし、且つどういう具合にしたら良いのか分からない。道野さんが仰られたように、確かに適性診断とか特別診断とか、色んな専門家の手を借りるというのは一つの手だと思います。ただ、お金が掛かりますから、ここをどうするのかというのも問題もあると思います。後、やはり後程申し上げたいと思っているのですけども、エラーとか事故を起こすにはそれなりにやはり理由があるとは思っています。それの方法論というのですか、それがまだまだ一般の方には理解されていない所もあるのかなと思って。これは後程まとめて少し申し上げたいと思っていますので、そして是非来年、じっくり検討する機会が出来たら良いのかなと思います。ご質問どうもありがとうございました。

それでは次に進めてまいりたいと思います。

ありがとうございました。それでは、会場の方どうでしょうか。何かご質問等ございますでしょうか。宜しいですか。

他にご質問ございますか。非常になまめかしい質問が出ましたけども。相互さんの取り組みは、スマートな取り組みだと思って関心しました。一点だけ聞きたいのですが、事故防止のために色々やられて、最後、まとめとして運行管理者から面談するというか、まとめるというか指導をされている。その場合、運行管理者の力量というのか、そういうのが凄く要求されると思うのですね。相互さんのところの力量が高いということが前提にあるのだろうと思うのですが、運行管理者の教育というのは、どういうことされていますか。

近藤

一応、運行管理者というのは、色んな場面で乗務員さんと一対一で話しをしなければならないということが非常に多いので、まずは会社側の人間として、これは絶対に譲れない、これは守らなければいけないという部分がありますので、そこを先ず指導するということ、これはISOの中でもそういう指導をするような項目もありますので、そういうのを活用して、新人の運行管理者の教育をするということを行っています。

藤島

大淀さんのところはどうですか。運転者の研修という問題は当然あると思うのですが、今日はトップの方の参加がすごく大事だとか、杉山様とかは自ら点呼を朝から立ち会われるというようなことで、コミットメントに相当工夫されていると思うのですけども。

杉山

そういう点では、コミュニケーションは十分とはいかないですけども、取ってます。ですから、点呼の時にもこちらの方から、一応今日の点呼はこれを言うようにと、そう言った後でもう一度、フォローしているという形をとって、運行管理者にも勉強してもらっています。後、運行管理者はいろんな研修が次々入っていますので、それには絶対行かせるというふうなことでやっています。

道野

運行管理者については、NASVAが多分出していたと思うのですけども、自動車リスクマネジメントとかいう教材があったと思うのですが、それを中心に学習はして頂くのですけども、ただやはり、彼らが安心して安全第一に勤められるような経営側とのコミュニケーションというのですか、社長、私の意思を常にどう伝えていくかということになってくるのですかね。たまには一杯飲んで慰労もしないといけないし、と思っています。

藤島

ありがとうございます。小林様にも質問なんですけど、評価される時にコミュニケーションというものの評価というのは、割合難しいですかね。

小林

今仰った通り、コミュニケーション、いわゆる最初のマネジメントのスタートの時には、経営トップと現場、現場から経営トップに流れるコミュニケーションというのがメインで、私共もその状況、例えば会議体で経営トップ出られて、そして色んな現場の代表が出られて色々コミュニケーション。現場からの情報を得たり、上からの指示を出したりというのがあるのですけども、最近一番注目しているのが、今もお話しになりました運行管理者さんを含めた中間管理職のコミュニケーション能力。または、現場での問題点・課題を見つけ出せる能力、そういうことを今現在、評価のポイントとして位置づけているところです。

藤島

ありがとうございます。以上で我々の方の質問は終わりました。会場の方、何かございませんか。どうでしょう。宜しいですか。

それでは、道野様、杉山様、近藤様、良い発表を頂きましてありがとうございました。改めて拍手をお願いします。

小林様、どうもコメントありがとうございました。

これでパネルディスカッションのメインは終わりですが、最後、私からコメントしろということなんですけど、簡単にさせて頂きたいと思います。

今日、タクシーモードということでお話しを伺っていて、バスやトラックと違う、ハイ・タクというか、タクシー業界特有の特徴的な問題があるのかなと伺っていたのですが、道野様がはっきりと言われたと思うのですが、売上か安全か、という問題がやはり相当なまめかしくあるのだなと思います。ただし、無茶々なことをして売上を追求するというようなことは、現在あり得ないことであるというように認識していますけども、その中で何とかそこのバランスが取れないかというご発言があったと思います。それについては、大淀交通の杉山様も、京都相互タクシーの近藤様も同じように言われました。走行時間というのが、先ずは大きくコントロールしなければいけないのかなというようなことが、大事だなということだと思います。拘束時間13時間ということですね。ただ、これは皆さんが聞いておられて、ううんと思われるところもきっとあると。売上を考えると中々難しいのじゃないかなという、でも、そこを何とかやっていくことが、そういうジレンマを解決する一歩として大きいのかなというように伺いました。そういう意味では、デジタコも含めた時間のコントロールというか、そういうものが割合とメーターの中で出来るようになったことも大きいのかも知れませんが、ただ先程、ご質問あったように1200万も投資してというお話しがあったけども、凄い高額といえば高額なのかもしれませんが、でもそれぐらい投資をして頂けるということが、そういう時代が来たという、それは凄く有り難いことだなというようにも伺っていました。

それから、今日もう一人の方のご質問であったように、事故を惹起してそれを繰り返されるかどうかということですね。そういう場合、我々の専門で言えば、事故形成、事故を起こしやすい傾向があるということなんですけども、そういう方をどう研修して、無事故で事故防止して、長く仕事をして頂くかということだと思うのですが、これは中々難しい問題だというように杉山様は仰られましたけども、それはきっと、当たり前が中々難しいと言うことですよね。そのことについて少し話しをさせて頂きたいと思います。

先ずは、ハザードとリスクと書いていますけども、今日お話しの中心は、ハザードというのは危ない所という意味です。危ない所を無くすということは、先ず会社の役割だと思うのです。バック事故のことを仰られてましたけれども、バックセンサー付けたからといって無くならない。じゃあ、もうバック止めればというような、バックしない運転を目指すということもあると。福祉事業なんかは、やむを得ず車椅子を後から載せなければならないからバックするとか。お客さんの要望というものが、タクシーさんの場合はあるので、中々思う通りにいかないとは思うのですが、あまり機械に頼っても上手く行かないということはあると思うのです。そういう時に根本的に考えて、バックしない、スピード出さない、黄色で絶対止まるとかそういうようなことは、当たり前なのだけど、そういうことを目標にしても良いのかなとも思います。そういうようなものはハザードの問題なんですね。危ないことをまず止めようとか、無くそうという、それは色んな取り組みを仰って頂いたと思います。但し、まだ色々あると思います。もう一つの問題がご質問にあった個人の問題ですね。運転者の資質の問題。これは研修するしかない。学習するしかないということです。その結果、危険予知とか、危険なことをしないということがあって、リスクをしないということになると思います。でもそこは難しいというお話しだったと思いますね。

相互さんのお言葉にあったヒューマンエラーというのがあるのですけども、事故は現在ヒューマンエラーというのが大きいですね。確信的に違反をされるとか、そういうようなことは皆さん方のドライバーは無いんですよね。プロとしてあり得ない。しかし、うっかりはする。これをどう防いでいくのかということは大きな問題だと思います。

それをヒューマンファクターと言っています。うっかりした理由、それぞれ運転者は言い訳する訳ですね。ヒューマンファクター。それは大体三種類と研究では言われていて、手が滑る、ハンドルを回すつもりが手に汗をかいていて滑ったとか、文字通りスリップ、これはもの凄く防ぎ難いんですね。次は、ど忘れするという訳です。失念する。これは、確認しておけば良いものを普段やりませんから、特にタクシーの方は、前方赤なんてやられないと思うのです。先程、黄色の点滅で止まれと言ったのに何でや、言ってたやないかという話しがあったと思いますが、じゃあ点滅とか言って口出されるかというと、それはタクシーさんの場合無いのじゃないかと思います。そういう意味では確認がないということです。それから勘違いというような場合もあると思うのです。色んな思い込みとか、勘違い。これはタクシーさんの場合、特にプライドが高い運転手さんの場合、これがええんやと思い込んでいるので、それがバットルールの場合、本人は正しいと思っていても、根本的に違っているとそれは勘違いです。そういう場合誰がチェックするのかというのは、他人がチェックしないとダメなのです。そういうのもあらゆるものがないのじゃないかなとか思うのです。今日、手が滑るタイプにしたら、13時間で間ちょっと休憩どうするかなというようなお話しは出ませんでしたけども、きっとそういうことも苦慮しているというか、そういうのをどうしたら良いのだろうと。確認と他人のチェックについては、運転中にこんなものどうやってやるんだろうというのが、皆さんの恐らく心の中で思っている悩みだと思います。幾ら口で注意しても現場には居ないものですから、確認とかそんなもの分からないんですね。やっているかどうか。じゃあ、ドライブレコーダーで音声録音して確認するか。そういう訳にもいかないだろう。これをどうするかということは、ちょっとお考え頂いた方が良いのかも知れない。タクシーの運転者の方もしておられないことのように思います。従って、うっかりしたミスが起きたり、運行管理者が言ってたことを忘れてしまっていたりするのだと思います。こういうようなことがご質問にあったように、どう研修したら良いのかというのは、中々運行管理者さんの力量の中では難しいと思います。道野様が言われたような適性診断の利用とか、或いはそこでのカウンセリングの利用というのは一つの道だと思います。アウトリソースしてしまって、自分のところでやるのが大変だから、そういうところへ任せると。後は料金を下げてもらうということですよね。

全体として、何を守るべきかということですけども、今日タクシーの方の発表された中で強調されたことは、カルチャーだったと思うのです。先ずトップが安全というのを認識して訴えないとダメだと。ということは、それぞれのお立場で仰られたと思います。それは正に安全マネジメントの重要な一側面で、それが出来上がって来ていることは、凄く嬉しいと思います。是非皆さん方の事業所や会社におかれても、今日のことを参考にして頂いて、色んな形でトップがやる気を見せるというか、参加するというか、何か一言言うというか、そういうような現場とのコミュニケーションの中で仰って頂けるようになればいいなと思いました。そういうところを今日は三人の方、それぞれの中で強調されたと思います。そういう意味では、コミットメントというのをやっておられるということだと思うのです。恐らく問題点は、コミュニケーションというのは、運転手さんとどうコミュニケーションするのかなというのが、残った問題にきっとあると思います。コンプライアンスについては当然やって頂いていると思うのですけど、ただ儲けか、という話しになると守りにくいという話があったと思います。

その辺は永遠の課題でもあろうとも思うのですけども。是非来年は、運転者と運行管理者、事業者の三者バトルディスカッションをやれば凄く白熱したものになるのではないかというので、来年は是非、運転者の方も一緒にディスカッションが出来れば良いなと思いながら話しを聞いていました。喧嘩にはならないようにしてここで話し合えば、より突っ込んだ話し合いになっていくのではないかということを、会場からのご質問も頂いて、今日は凄くなまめかしくディスカッションが出来たことを嬉しく思っています。今日は会場の方のご参加も得て、凄く充実したディスカッションが出来たと思っています。改めて、パネリストの御三人方、ありがとうございました。またコメントを頂いた小林様もありがとうございました。何より会場の方、今日はご質問も頂き、じっくりと聞いて頂けて、有り難く思っています。どうもありがとうございました。

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